DETAILS

読みたいことを、
書けばいい。
(田中泰延)




内容   ★★★☆☆
難易度  ★☆☆☆☆
実用性  ★★☆☆☆
時間   ★★☆☆☆
構成   ★★★☆☆

手にとったきっかけは、大学でこの本を読む課題が出たからだ。
授業のゲストスピーカーとしてこの著者がいらっしゃるらしい。
そして、生徒の文章を添削してくださるそうだ。
それがこの授業の最終課題に当たるらしいので、良い文章を書くためにもこの本を読む必要があった。
面白くなくても、興味がなくても。
とりあえず読み始めてみることにした。

読み終えて1番に感じたのがこの本は非常に読みやすいことだ。
本を読むスピードが遅い私でもサクサク読めた。
その理由は、本を読んでいるというよりも講義を受けている感覚であったからだ。
文章というよりまさに話しかけている口調だ。
それはタイトルにもあるように「読みたいことを書いている」からだ。

この本は「なにを」「だれに」「どう」「なぜ」書くのかを軸に書かれている。
まず、「なにを書くのか」だ。
いまの時代、文章の9割は「随筆」だとおっしゃる。
そして、「随筆」の定義を「事象と心象が交わるところ」だと言っている。
抽象的でわかりづらい。
しかし、その後に事象よりなのはジャーナリストで、心象よりなのは小説家や詩人だと説明されている。
なるほど、その間を書けばいいのだと。
また、定義をしっかりする必要があると述べている。
例えば、趣味とは「手段が目的にすりかわったこと」だと述べている。
確かにそうだなと。
小さい頃、マスキングテープを集めていた時期があったが、使用する量以上であったことを思い出す。

次に、「だれに書くのか」だ。
田中さんは、自分のために書くことが大事とおっしゃっている。
それは、自分が読みたいと思うことを書くということだ。
自分が読みたいと思うことでなければ、当然他人に読んでもらえないからだ。
有名人はともかく、一般人はよっぽどの文章でないと見てもらえないのだ。
なるほど、確かにそうだなと思った。

3つ目は、「どう書くのか」だ。
文章というのは人間が作ったものだ。
人間が作ったものは、全て文脈があると書かれている。
その文脈を知らずに語れないし、面白くない。
文脈を知るためには「調べる」ことが大事なのだ。
具体的に言うと、「自分の感動を探り、根拠を明らかにし、感動に根を張り、枝を生やすために調べる」ことだ。
考えは1%以下で良いのだ。
確かに、文脈を知らずに語るのは解釈の間違いなどが起こるように私も思う。

最後に、「なぜ書くのか」だ。
事象に触れて心象が生まれたから書くのだ。
もちろん、他の人が書いてないことを。
しかし、長い文章を書く必要はない。
過程の披露に過ぎないからだ。
感動を中心に過不足なく書くことが重要だと書かれている。
また、最初に「うまくやらない」と決めるのがポイントだと述べている。
私はレポートを書くときに意気込んでしまうので、これからは気持ちを楽にして書こうと思う。

この本は「〜のやり方」みたいに堅苦しい本ではないので、気軽に手にとって欲しい。
文章を書くのに苦手意識がある人にもそうではない人にも、おすすめできる1冊である。
そして、ゲストスピーカーとして来てくださった田中さんありがとうございました。
テンポ良く話してくださるので頭にスイスイ入ってくるし、何より話が面白かったです。
偉大な方からお話をお聞きすることができて、非常に有意義な時間を過ごさせていただきました。